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社長・役員スピーチ

2017年8月8日

マツダ技術開発長期ビジョン説明会 社長スピーチ

【代表取締役社長兼CEO 小飼 雅道】

 皆さま、本日はお忙しいところ「マツダ技術開発長期ビジョン説明会」にお越しいただき、ありがとうございます。今日は、まず私から、マツダの将来ビジョン、特にそれを実現するための重要な手段である「商品・技術開発の将来計画」についてご説明致します。

 2012年初頭に、「SKYACTIV技術」と「魂動デザイン」を初めて搭載した新世代商品第1弾、「CX-5」の発売とともに、構造改革を進めました。ご覧の4つの施策を実行し、マツダのビジネスは着実に改善してまいりました。この間、「ブランド価値」の向上に焦点をあて、マツダの企業価値を高める経営を進めてきました。

 私たちが目指してきたマツダブランドのありたい姿とは、お客さまと強い絆で結ばれた会社です。マツダは、今までの歴史の中で、コスモ・サバンナなどのロータリーエンジン車や、ロードスターと言ったスポーティ性能に優れたクルマのブランドとしてグローバルに認知していただいており、熱烈なファンの皆さまに支えていただいております。

 2002年に導入したブランドメッセージ「Zoom-Zoom」によって、お客さまに「走る歓び」を提供するというブランドの方向性を明確にし、世界的にファンからの共感を得てまいりました。さらに、2012年の「CX-5」導入以降も、多くのマツダや「CX-5」ファンの皆様から、「走る歓び」を提供する価値を認めていただき、強い絆が生まれつつあると感じています。

 最初にマツダにお乗りいただいたとき、お客さまの期待を超える優れた商品・技術・デザイン・サービスを提供し続けることで、「走る歓び」、「人生の輝き」を感じていただきたい。マツダ車を運転して、豊かなカーライフを過ごしていただきたい。そして、お客さまのご愛用いただいた体験が次もマツダを選んでいただけることにつながり、さらには、他のお客さまに推奨され、ファンが少しずつ広がっていく。私はマツダを、そんなブランドにしたいと思っています。

 現在までのマツダブランドの成長の大きな推進力となったのは、自動車業界での生き残りをかけて、2007年に発表した、技術開発の長期ビジョン「サステイナブル“Zoom-Zoom”宣言」でした。お客さま視点を頂点においた「走る歓び」、「環境・安全」性能の全てをブレークスルーした商品の提供をお約束いたしました。

 その実現に向けて、グローバルで商品体系を先鋭化すると共に、エンジン、トランスミッション、ボディ、シャシー等、全ての車両システムを刷新しました。それが、「SKYACTIV技術」です。実用域における燃費と環境性能、安心安全性能、「i-ACTIV-AWD」や「Gベクタリングコントロール」など独自の車両運動性能など、ご購入いただいたお客さまの心に訴え、ご愛用いただいている日常の中でその性能を体感し、ご満足いただける技術。そんな技術を愚直に開発してまいりました。

 またデザインも同様に、日本の美を映した、シンプルで全車統一の「魂動デザインコンセプト」として刷新しました。

 このように一時に全てを刷新することは、業界でも非常にまれなことですが、我々は、技術革新と部品の共通構造である「コモンアーキテクチャー」と、変種変量生産を可能とする「フレキシブル生産」によって、限られた開発リソースの中で、お客さまの期待を超える商品・技術・デザインを適切な価格で提供することを実現いたしました。

 これらの一貫したモノ造りの哲学から生まれた、新世代商品が推進力となり、構造改革第1ステージは成功したと言ってよいでしょう。販売台数は2013年3月期 123.5万台から今期目標160万台と約30%増加を目標とするところまでこられました。この増加分は主に海外工場増強で対応し、為替耐性も強化されつつあります。

 また、商品の競合力を飛躍的に高めることで、正価販売が可能となり、実売価格が向上し、販売店の収益アップに貢献しています。それにより国内のみならず欧州、オーストラリア、ASEAN、中国など、販売ネットワークの強化が図れ、店舗や人材への投資が進みつつあります。現在、重点市場として米国のネットワーク革新にフォーカスしているところです。

 車両残存価値の向上を生み、新世代商品群のお客さまの再購入率は大きく向上し、ブランド価値も確実に高まってきたと思います。

 そして現在、構造改革の第2ステージとして、「商品・販売・生産・財務の質的成長」と「ブランド価値向上」により、さらなる成長の達成に向けて一生懸命取り組んでおります。

 それではこれから、今後も継続的に成長するための重要な要素である、中長期的な商品・技術の次なる進化についてお話します。

 私は、常々、企業がお客さまに信頼され、強い絆を持つためには、その企業がお客さまにとってなくてはならない存在であるべきと考えています。その企業が持つ大義や哲学を通じて生み出された商品、技術、サービスにお客さまは共感し、絆を深めていただけるものと信じています。

 従って、私はここで、スライドでご覧いただいている、「私たちはクルマを愛しています」から始まる、私たちのコーポレートビジョンにもとづき、クルマの持つ魅力である「走る歓び」によって、「地球」、「社会」、「人」のそれぞれの課題解決に向けた、私たちの新しいチャレンジ「サステイナブル“Zoom-Zoom”宣言2030(にせんさんじゅう)」を公表します。

 私たちマツダは、美しい地球と心豊かな人・社会の実現を使命と捉え、クルマの持つ価値により、人の心を元気にすることを追究し続けてまいります。全社員が、「地球」、「社会」、「人」に対する課題認識を常に持ち、その解決に向けた独自のアプローチによる取り組みを進めてまいります。

 まず、「地球」については、地球温暖化の要因となる温室効果ガスの削減に対し、実質的なCO2削減に繋げて行かねばならないと考えています。また、CO2削減だけでなく、各国大都市部で大気汚染が深刻化している課題にも目を向ける必要があります。

 これらの課題に対し、真に温室効果ガスの削減を図るため、クルマのライフサイクル全体でのCO2削減に取り組む必要があります。いままでの走行段階のCO2評価の「Tank-to-Wheel」だけでなく、エネルギーの採掘、製造、輸送段階のCO2評価も組み入れた「Well-to-Wheel」視点でのCO2削減を進めます。

 具体的な目標として、「Well-to-Wheel」での企業平均CO2を、2010年比2050年で90%削減を将来的ににらみ、2030年で50%削減を目指します。

 この実現に向けては、各地域における自動車のパワーソースの適性、エネルギー事情や電力の発電構成を踏まえ、適材適所の対応が可能なマルチソリューションが必要と考えています。

 その削減の中心となるのは、 今後将来においても世界的に大多数を占めると予測される内燃機関を活用することです。内燃機関を活用し、極限までCO2削減を進めて行くことが、私たちに求められていることと考えています。

 従って、私たちマツダは、地球を守るため、実用環境下での温室効果ガス削減の効果を最大化することを目指していきます。内燃機関の徹底的な理想追求を行い、世界一をめざし、内燃機関の可能性を追究します。これを基にして、効率的な電動化技術と組み合わせて進めてまいります。

 さらに、クリーン発電地域、大気汚染抑制などの政策のある地域へのEVなどの電気駆動技術の展開を進めていきます。

 内燃機関の徹底的な理想追求として、このたび、次世代エンジンの量産にめどを付けました。次世代エンジンは、ガソリンエンジンとディーゼルエンジンのそれぞれの利点を持ち、全く新しい燃焼方式と提供価値を実現した、“新種”のエンジンです。ガソリンとディーゼルのクロスオーバーという意味で、「SKYACTIV-X」と名付けました。

 もちろん、現状でも商品力の高い現世代の「SKYACTIV-G」、「SKYACTIV-D」も継続的に進化させ活用してまいりますし、内燃機関の効率化に最適な電動化技術であるマイルドハイブリッドや、新材料採用を含む軽量化、そして、車両系の「SKYACTIV-BODY」、「SKYACTIV-CHASIS」も継続して改善してまいります。

 次に「社会」については、先進国を中心に新たな事故の要因が顕在化しています。例えば、運転経験の浅い若者による交通事故。スマートフォンなどによる、情報量増加による注意散漫な運転や、増加するご高齢ドライバーによる運転操作ミス、過労/疾病等の影響による危険運転などの課題があげられます。

 また、社会構造の変化に伴う課題の顕在化。例えば、過疎地域における公共交通の弱体化、空白化や、ご高齢者やお体の不自由な方など、交通面で不便をされている方々の増加などがあげられます。これらは日本のみならず、今後人口が先細りする先進国においては共通の課題と認識しています。

 これらの課題に対し、私たちは、安心・安全なクルマと社会の実現により、全ての人が、全ての地域で、自由に移動し、心豊かに生活できる仕組みを創造し築いてまいります。

 “事故の無い安全なクルマ社会”を目指し、ドライビングポジション、ペダルレイアウト、視界視認性、アクティブ・ドライビング・ディスプレイなどの基本安全技術の進化と全車標準化。加えて、先進安全技術の継続的な性能向上と標準装備化、そして、自動運転技術を活用したドライバーがいつまでも安心して運転を愉しめる「Mazda Co-Pilot Concept」の2025年での“標準化”を目指します。

 また、過疎化や交通においてご不便をおかけしている方々などの社会的課題の解決に向けて、マツダコネクトの進化版の活用により、クルマを使う人が交通弱者や過疎地での移動を支える、つまり、人が人を支える社会。そんな役割を担えるようなビジネスモデルの創造に取り組んでまいります。

 「地球」、「社会」への貢献をもとに、最後に、「人」の領域です。社会で生活する人々は、機械化や自動化により経済的な豊かさの恩恵を受けていますが、一方で、日々体を動かさないことや、人や社会との直接的な関わりが希薄になることで、ストレスが増加していると考えています。

 これらの課題に対して、私たちはより多くのお客さまに、クルマを運転する「走る歓び」を感じていただき、さらにクルマの運転を通じて、地球や社会への貢献を感じることにより、人としての高揚感、達成感を得ることで、このストレスのある世の中で、心豊かな人生を味わっていただくことを目指してまいります。

 このために、私たちの強みである、人の能力を引き出し、心と体を活性化させる「人馬一体」感と、見る人全ての心を豊かにするデザインを、さらに研ぎ澄ませてまいります。

 以上、これらの取り組みを通じて、私たちマツダは、美しい地球と心豊かな人・社会の実現を使命と捉え、クルマの持つ価値により、人の心を元気にすることを追究し続けます。

 この「サステイナブル“Zoom-Zoom”宣言2030」を実現する具体的な技術を、今後段階的に商品導入していきますが、それに先んじて、皆さまには、詳細な技術説明と試作車の試乗・体験機会を設ける所存です。

 具体的には、今年、2017年には、次世代ガソリンエンジン「SKYACTIV-X」と次世代のプラットフォーム、新デザインコンセプトについて詳細な説明会を設けていきます。これらは最終的に今年の東京モーターショーに出展し、広く一般のファンの方々にも披露させていただきます。

 第2に、2018年は、電動化とコネクティビティ技術につきまして、第3に、2019年は、次世代ディーゼルエンジンとPHEVにつきまして、そして2020年は、自動運転技術「Mazda CO-Pilot Concept」の説明会と、この4年間の全体包括的なまとめを行う予定です。

 2020年、さらに2025年頃に、日米欧で予定されている環境規制などの環境要請の強化や安全に対する要請の強化や、お客さまのニーズの多様化など自動車業界が抱える様々な課題に対し、これら技術による複数の解決策「マルチソリューション」を着実に準備してまいります。

 そのためにも、現在進めている構造改革ステージ2の「商品・生産・販売・財務の質的向上」と「ブランド価値の向上」を加速させてまいります。

 私たちは、世界中に熱烈なファンを持ち、新世代商品によりさらに多くのお客さまにご愛用をいただけるようになりました。そんなお客さまに常にマツダ車をご購入いただけるように、次世代の商品・技術においても、最高の商品・技術・デザイン・サービス、そしてお客さまのご利用体験を提供してまいります。

 お客さまにマツダ車にずっと乗り続けたいと言っていただける、お客さまと強い絆で結ばれた存在、すなわちマツダプレミアムの実現を目指します。それは豪華で高価格ということを示すものではなく、私たちが心から目指している、「走る歓び」の力によってお客さまの人生を輝かせる、お客さまとの強い絆をもった世界一のクルマつくりを目指します。

 今後のマツダにどうぞご期待ください。

 それでは、我々の次世代商品・技術の一部ではありますが、内燃機関革命の第2段階である、次世代エンジン「SKYACTIV-X」の概要を研究・開発・MDI・コスト革新統括の藤原から説明させていただきます。

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